この「プロジェクトマネジメントとは?」のページに興味を持ってくださった方は、普段の仕事の中で、プロジェクトの上手な立上げ方や進め方が分からないという壁にぶつかり、
「そもそもプロジェクトの仕事にはどんな特徴・特性があるのか?」
「プロジェクトマネジメントとは、具体的にどんなことをやればいいのか?」
「体系的なプロジェクトマネジメントの知識体系とは? また、それを自分のプロジェクト現場にどう取り入れたらいいのか?」
などの疑問から情報収集をしているというケースが多いのではないでしょうか。

この「プロジェクトマネジメントとは?」ページでは、プロジェクトやプロジェクトマネジメントの最低限おさえておきたい前提知識の基礎・基本 を、プロジェクトマネジメントの世界標準知識体系であるPMBOK®︎の内容を踏まえながら、分かりやすく網羅的にお伝えしています。ぜひ参考にしてください。

プロジェクトマネジメントとは?
2026年1月29日更新
目次
1. そもそもプロジェクトの仕事って何?
これを読んでいる方の中には、普段の仕事で新たな「プロジェクト」の立上げに関わる機会があったり、社内・社外を問わず何らかの「プロジェクト」と名のつく活動にメンバーとして参加した経験があったりする方も少なくないのではないでしょうか。
日ごろ「プロジェクト」と耳にする機会は多いものの、改めて「プロジェクトの定義」と問われると、サラッと答えられない方もいるかもしれません。ここではまず「プロジェクトの定義」から分かりやすく解説していきます。
1.1 プロジェクトとは
プロジェクトとは、「新たな要素が含まれた独自の目的・目標を設定し、それを期限内に達成するための取り組み」のことです。

プロジェクトの定義を簡潔にまとめると、下記の2つの条件を満たしている取り組みかどうかが判断のポイントになります。
● 独自性:自分(または組織)から見て新たな要素が含まれている取り組みであること
● 有期性:達成までの期限が定められている取り組みであること
例えば、
● 毎日の朝礼・終礼・業務日報を実施する
● 毎週の営業数字を既存システムに入力する
● 毎月の給与計算・経費清算に伴う経理業務
など、定常化され同じことを繰り返していくような仕事はプロジェクトではありません。
では、プロジェクトにあたる仕事の例をいくつか挙げてみましょう。
● 営業管理システムを新たに自社で開発する
● 定常業務で使用中の一部マニュアルを刷新する
● 毎年、年度の初めに全社員を集めてキックオフを開催する
これらはプロジェクトの仕事にあたります。繰り返しになりますが、自分(または組織)から見て新たな要素が1つ以上あり、かつ開始と終了の日時が決められ、達成までの期限が定められている取り組みがプロジェクトの定義です。
また、その独自の目的・目標のゴールに向かって一緒に活動していくためのチームを「プロジェクトチーム」と呼びます。
この他にも、押さえておきたいプロジェクトの特徴・特性がいくつかあります。
例えば、
1
目的・目標の中身や規模の大小を問わずプロジェクトと呼ぶ
2
社内はもちろん、外部の専門家や他の協力企業や国(行政)などと協力する場合もある
3
プロジェクトの仕事が始まる前にあらかじめプロジェクトの成果物について決める
などが挙げられます。
プロジェクトの仕事は外部の専門会社、社内外の有識者の協力が必要なこともあります。登場人物も多く、多方面のコミュニケーションが欠かせません。また、プロジェクトの仕事は、これまでにない新たなチャレンジを含む内容であることが前提です。そのため、期限内に全ての活動を終了し、決められた成果物を正しく創るという難しさもあります。
1.2 なぜプロジェクトの仕事がますます増えているのか
プロジェクトの仕事が近年ますます増加傾向にあるのはなぜでしょうか。

一般的に、同じことを繰り返す定常業務の仕事は、企業内の活動において持続的な事業運営の役割を担うケースが多くなっています。それに対してプロジェクトの仕事は、企業が目指す未来のヴィジョン達成に向けた新規事業や、既存の定常業務の改善がメイン。つまり、成長・発展的な役割を担うケースが多いのです。
皆さんもお分かりのとおり、現代、そしてこれからの時代はますます世の中の変化が激しくなっていきます。同じことだけを繰り返しやっていても、残念ながら企業の成長を見込むことはできません。新規性や独自性があることに果敢にチャレンジしていくことでしか、企業の持続的な成長・発展は望めない時代になっています。
話をとても単純化していますが、企業活動において成長・発展的な役割を担う「プロジェクトの仕事」が近年ますます増えている背景には、こうした時代の流れがあるのですね。
最近よく耳にするAIなどのIT・ロボティクス産業が日々発展していくにつれ、人がやらなくてもよい仕事などはどんどん自動化されていくことでしょう。そうした時代の流れの中で、今まで人があまり頭を使わなくてもやれていた定常業務の仕事範囲・量は減少していき、頭を使って考えなければできない仕事、つまり、新しいことにチャレンジするプロジェクトの仕事に人が集中していくのです。
とはいえ、企業活動において、プロジェクトの仕事だけをしていればいいというわけではもちろんありません。同じことを繰り返す定常業務も重要な取り組みです。プロジェクトの仕事と定常業務の仕事、この2つの活動が上手く相まって企業が目指すべき未来のビジョンが成し遂げられるのです。
プロジェクトの仕事 + 定常業務の仕事
企業は目指すべき未来のビジョンが成し遂げられる!
重要なのは、プロジェクトの仕事、同じことを繰り返す定常業務の仕事、それぞれの仕事を上手く進めていくための知識や技術(スキルセット)をしっかりと理解・実践し、成果を出せるようにすること。これに尽きるのではないでしょうか。
マニュアル通りに適切に進めれば安定した成果が出やすい定常業務の仕事と、プロジェクトチームが一丸となり、頭を使って新たな要素のアイディアを現実の世界に創り出していくプロジェクトの仕事とでは、求められる知識や技術(スキルセット)が全く異なります。
そのため、プロジェクトの仕事を進めていくにあたっては
● 体系的なプロジェクトの進め方のノウハウが社内に存在しない
● どのようにプロジェクトを立上げ〜終結まで進めていけばいいかのイメージが湧かない
● 次から次へと新たな問題が発生してしまい、現場の問題解決の収拾がつかない
など、プロジェクト担当者が悩み、頭を抱える事態になっているケースも少なくありません。
そこで、次の項目では、プロジェクトの仕事を進めるにあたって、最低限おさえておきたいプロジェクトマネジメント(プロジェクト管理)の概要やポイントについてできるだけ詳しく解説していきます。
2. 現場で誰も教えてくれないプロジェクトマネジメントの基礎知識
2.1 プロジェクトマネジメントとは
「プロジェクトマネジメント(プロジェクト管理)」とは、簡単に言えばプロジェクトの仕事を立上げたり、進め方の計画を詳細に決めたり、チームメンバーが順調に仕事を進められるよう進捗管理や軌道修正などのサポートを行ったりと、プロジェクトの現場で求められる知識と技術です。プロジェクトの目的・目標達成率を高めるための専門的な知識や技術とも言い換えられます。また、それらの知識と技術を駆使し、プロジェクトの仕事を期限内に成功まで導くこと自体もプロジェクトマネジメント(プロジェクト管理)です。
2.2 プロジェクトマネジメントの世界標準PMBOK®とは
PMBOK®︎(通称:ピンボック)とは「Project Management Body of Knowledge」の略で、あらゆる業種・業態のプロジェクトに適用できる基本的なプロジェクトマネジメント(プロジェクト管理)の手法が体系的にまとめられているものです。
アメリカのプロジェクトマネジメント協会(PMI®︎)が発行しており、1986年に初めて発表されてから、ほぼ4年ごとにその時代に合わせて改訂されています。現在では、体系的なプロジェクトマネジメントの標準として世界で活用・実践されています。
ここからは、PMBOK®︎の中で解説されている「プロジェクト成功の12の原理・原則」「プロジェクトマネジメントに必要な8つのパフォーマンス領域」「プロジェクトマネジメントの基本的な流れ」について、シンプルに分かりやすく解説していきますのでぜひ参考にしてみてください。
2.3 プロジェクト成功の12の原理・原則
「プロジェクト成功の12の原理・原則」は、プロジェクトの仕事に関わるプロジェクトチーム内外の全ての人々の行動指針であり、戦略・戦術策定、意思決定、問題解決などのためのガイドラインになるものと考えてください。また、大前提として、このガイドラインが「責任感」「尊重」「公平性」「誠実さ」の4つの価値をとても大事にした上で構成されていることを理解しておきましょう。
1
スチュワードシップ
(受託者・担当者の精神)
プロジェクトを成功させるためには、プロジェクトチームの全員が、プロジェクトの仕事に対して前向きで積極的な姿勢を持ち、誠実かつ謙虚に業 務に取り組むことが大切です。透明性があり風通しの良いオープンなコミュニケーションを日々行うことや、プロジェクトをみんなが自分事として捉える強い責任感も求められます。
2
チーム
(協業)
様々な職能、経験、知識、スキルを持つ人が集まるプロジェクトチームでは、助け合いの気持ちと、一緒にプロジェクトの目的・目標を達成するという強い意識を持つことがとても大切です。チームワークを日々意識し、一人ひとりが協力し巻き込み合うことで、プロジェクトでより大きな成果を生み出せるようになります。
3
ステークホルダー
(利害関係者)
プロジェクトの仕事に関わる利害関係者と積極的に交流して良好な人間関係を築き、互いにプロジェクトの成功に向けて貢献し合います。これによりプロジェクトの仕事はよりスムーズに進行し、プロジェクト成功の可能性が飛躍的に高まります。
4
価値
プロジェクトの成果物の完成だけでなく、「価値」の提供に焦点を当てることが大切です。「価値」とは、プロジェクトの成果物や成果がどのように利害関係者や組織に役立つかということです。ここでいう「価値」は、単に物理的な製品やサービスに限定されたものでなく、ビジネス的、社会的、感情的な「価値」なども含まれます。
5
システム思考
プロジェクト内の各種取り組みを単独のタスクや活動として捉えるのではなく、それぞれが関連し合う集合体として大局的に捉える視点が大切です。プロジェクトの全体像を冷静に俯瞰する視点で理解し、それぞれがどのように影響を与え合うかを常に意識しておく必要があります。
6
リーダーシップ
プロジェクトの目的・目標達成に向けて、プロジェクトチーム内のベクトルを合わせて向かうべき方向にリードします。また、プロジェクトチームメンバーがプロジェクトの目的・目標達成に向かって協力・連携しやすい環境を整えます。単に命令や指示を出すことではなく、チームメンバーの能力を引き出し、積極的に貢献できるようサポートすることが大切です。
